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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第013号 ’99−09−17★
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あなたはどちら?
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●前々回は「コントロール」、
前回は「マネジメント」、一口に「管理」と言っても大別2種類あって、
その対象も、目的も、することも、ずいぶん違うと説明しました。
*
「ずいぶん違う」けれども、それらが全く別々の人の仕事とは申しません。
比率はともかく、誰でも両方やっているのです。無意識的に使い分けながら。
* *
ご自身の行動を、この2大別で吟味してみましたか? あの時はコントロール
に専念していたわけだ。今この状況、マネジメントで対処すべきだな、とか。
その「使い分け」も、必ずや画然としたものではなく、いわば無段階的である
ことが多いと思いますが、、。
* * *
職業に貴賤なし。だから「管理」にも上下なし、と言いたいところですが、
この2種類、いくらか職位に絡むところがありますね。しかし、
それも職場風土次第。 単なる役割、あるいは場面の行動、なのですから。
シーズンも終盤の野球になぞらえてみると、、。
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●ピッチャーにおけるコントロール、
これは不可欠の要素です。映画「メジャー・リーグ」のチャーリー・シーン。
彼が演じた速球投手みたいに、タマがどこへ行くのか自分でも分からないよう
じゃ、怖くて試合には出せません。
それなら、コントロールさえ良ければ、試合に出られるか? トンデモナイ。
*
コントロールが良いことは、ピッチャーの必要条件ではありますが、十分では
ない。二軍では重宝がられるでしょうがね、バッティング・ピッチャーとして。
バッターが「内角低めを特打ちしたい」と頼んでいるのに、そこへ「定常的」
にタマが来ない、、では、練習の効率が上がらない。たしかコントロールと
いう管理の目標は「効率」向上でしたな。そしてコントロールの領域では、
機械化が可能な部分がある、と申しました。 そこで、ピッチング・マシン!
* *
しかし機械は単能的。命じた通りにしか投げないし、ピッチング・マシンは
投げることしか出来ません。 ゲームは無理ですね。で、試合に出るのは、
もちろん人間様。 ところが「コントロールが良い」位じゃ、せいぜい身内
同士、二軍の紅白戦。他流試合は無理でしょう。 公式戦など、遙か先です。
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●一人前のピッチャーは
コントロールだけじゃない。あのバッターならこれが効く、このバッターには
以前あれを打たれた、などなどアタマのデータ・ベースにインプット済み。
それを自在に組み合わせて用い、「効果」をあげます。
まず内角をシューッ!と。ほら、のけぞったぜ。お次はこれ、打てまい! あ、
ファウルと来たか!当たってるな。じゃ、今度はフォークで泳がせてやるか、、
*
このタマっきゃ無い!なんてこだわりませんよ。あらゆるデータから最適の
球種を選んでは投げ、相手の様子を窺ってはさらに修正・補強を試みます。
「ピッチングの組み立て」とか言うやつですね。
つまり、投球のマネジメントが出来なくちゃ、一軍には上がれない。頭脳と
テクニックのフル活用で「機会損失の最小化」に努め、キャッチャーや野手
の協力も得られる人、それが一流ピッチャーの条件です。
* *
しかし、どんなに優れたピッチャーでも、本領が発揮できない場合があります。
たとえばアンパイヤの、ストライクかボールかの判定がオカシイとしたら?
ストライク・ゾーンとは、歩かせたくなかったらこの中に収めろよ、という枠。
善し悪しの判定基準です。それがあやふやだったら、ピッチャーは困ります。
クサイところが攻められない。 せっかくのテクニックも封じられてしまう。
* * *
アンパイヤによって、あるいはリーグによって、高めを採るとか、コーナーに
キビシイとか、多少の「傾向」はあるようです。ま、人間ですからね、多少の
バラつきはやむを得ないでしょう。
しかし一人のアンパイヤの判定が、日替わりどころか、1試合の中でもバラつく
としたら、誰も合わせようが無い。みんな困る。バッテリーは「どんなタマなら
良いのか」が分からない。 バッターもうかうか選球できない、etc.
「えーっ?」という判定が重なれば大変です。ピッチャーはクサる、監督は
抗議に飛び出す、お客は騒ぐ、、、 面白いゲームにはなりません。
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●もし職場で業務の規準が
ハッキリしないとか、勝手に変えられたりしたら、、、さぞ仕事はやりにくい
ことでしょう。不安が絶えない、会議はもめる、外注先がそっぽを向く、納期
は守れない、品質が保証できない、、トラブル多発。 士気低下も間違いなし。
つまり、コントロールという「管理」が出来ていないと「商売」にはならない。
いや、コントロールがOKでも、安心してはいられません。うまく行っている
のを見ると欲が湧いてしまう、そんな人がいるからです。たとえば顧客。すぐ
値下げを要求してきます。トップは販売目標引き上げを命じてきます。規準が
変えられてしまうわけ。 そこに「かけ離れ」、即ち問題が生まれます。
野球では、シーズン進行中にストライク・ゾーンの規定が変わることはあり得
ませんが、商売の世界ではいつでも起こり得ます。 明日からはコレだぞ!
*
さらに、ピッチャーならば交代要員が常に控えているのが普通。でも「あなた
の代わり」の誰かがウォーム・アップに励んでいるわけが無い。あなたに期待
されているのは完投だけ、もちろん救援なし。
行く手に潜んでいる困難を自力で克服しなくてはならないのだから、覚悟して
「マネジメント」力を磨いて置く必要があります。ビジネスはすべて他流試合。
あなたもプロ。 いま、「公式戦」に出ていらっしゃるんでしょう?
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●管理職を大別して
技術系、営業系とすると、技術系の方がマネジメント力補強の必要が大きいで
しょう。モノの原理に従い、「こうすりゃ、こうなる」でアタマが出来ている。
無から有は生じない、着々積み上げるのみ、の真面目な思考パターンの人たち。
つい「これっきゃない」になりがちです。
営業系は極端に言えば、「要らないものでも売りつける」のが人生。今は無で
も、頑張って有に転じなくちゃ。「どうすりゃ、そうなる?」の思考パターン
です。「やり方はほかにもある」と信じなかったら、身がもちません。だから
時にはサッチー風、「論理も倫理もあるものかぁ、、」。 まさか!?
*
世の多くの企業で営業系が上位を占める結果になるのは、このような違いの故
ではあるまいか、とすら思います。 遺憾ですな。 え? 何が?
コントロール不在または無視のマネジメントになることが多いからです。マネ
ジメントという管理もデータ無しではよく機能し得ない、、、だったでしょ?
しかも営業系トップには多く「ヒラメキの人」や「アイデアマン」。積み上げ
型をマドロッコシイと感じ、トロイ!と軽蔑する。 「天馬空を行く」人、ね。
そのタイプに張り切ってしまわれると、その下で働く人は、技術系、営業系を
問わず、苦労させられますよ。つまりコントロール系の人々が。 いいのかね?
* *
経験から申しますと、コントロールの人がマネジメントを身に着けることは、
<技法の力を借りれば>大して難しくないのです。が、その逆、ヒラメキ型に
積み上げ思考的コントロール系の技法を修得させることは、まず不可能です。
コントロール技法は教材も修得手段も豊富、とは申しましたが、ヒラメキ型は
大体、修得したがらない。 キミね、商売はリクツじゃないんだよ。
ついでにカタイ人々の堅さを評価しない。コントロール系の進言など聞き入れ
ず、思いつき次第、言いたい放題、理不尽というべき決定を下すのが常です。
「でも、それ、どうやるんですか?」 訊きたい、が、訊くのは野暮。答えは
もう分かっています。 それ考えるのが君の役目じゃないか?!
散々苦労して、誰かには迷惑を忍んでもらったりもして、何とか形を付けると、
「ほら、言った通りだろ」。 当然、手柄は自分のもの、「あれは私の、、、」。
* * *
見聞した限り、そのテの人の多くは、たまたま運勢が強いだけ、マネジメント
力があるからではない。ご本人も実力不足を潜在意識で知っているから、余計
に虚勢を張る。しかし万一の時、責任をとることはまず無い。「理屈と膏薬は
どこにもヒッ付く」、景況悪化とか、為替相場とか、、時にはコントロール系
のせいにだってしてくれます。 トカゲのしっぽにされちゃ、たまりませんな。
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Nothing is impossible for the man who doesn't have to do it himself.
「みずから手を下さずに済む人には、不可能なことは何も無い」と申します。
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●宮仕えとは、かくも
空しいもの、、、でしょうけれど、それは相手によります。あんな人なら仕え
てもいいな、と思わされる人に出会ったことは私にもあるのです。その中でも
忘れ得ない最初の一人は外人さん、約40年前のこと。
*
外国企業がボチボチ、日本に生産拠点を設け始めた頃でした。本国本社との橋
渡しを務めたのはたいてい日本在住の本国人。 バイリンガル能力を買われて。
彼はデンマークの温度制御機器メーカーD社の代表、50歳位の小柄な紳士。
* *
彼の理解力と調整力にはビックリ。とにかくあちらの図面通りの材料が簡単に
手に入らない日本でしたからね、未だ。加工方法でも後進国、D社仕様を満た
すにはずいぶん工夫が要りました。それを親切に、一緒に考えてくれるやら、
本国に話をつけてくれるやら。 全く「こっちの味方」に徹してくれました。
当時、重電のM社、家電のT社などの下請けもしておりましたが、どの客先の
技術者たちもカタイこと、コワイこと、ワカランジンばかり。散々いじめられ
たものです。 その経験から、「こんなに話の分かる人って、どんな人?」
* * *
思えばすぐ訊く。彼、答えていわく「私?建築屋ですよ」。襟のバッジを指す。
金メッキのコンパスが「A」の字にデザインされている。 へエ、Architect?
そこでの仕事、電気、機械加工、金属材料、みな専門外だと平然。そりゃそう
でしょうな、しかし、、、。
それにしては色々よくお分かりで、、と言ったら、妙な顔をされてしまった。
「エンジニアなのだから、何でも分かって当然じゃありませんか?」と。
イヤ恐れ入りました。しかし納得。ワカラン技術者と対面するたび、自分が
少年時代から志して来た「エンジニア」とは何か違うぞ、と感じていたので。
こうでなくちゃ、の生きた見本がそこに「いた!」 目からウロコ、の思い。
* * * *
その後、アメリカを歩き回って多くのエンジニアに会い、やがて知ったのは、
アチラではエンジニアはマネジメント側だということ。 ワーカーじゃない!
日本ではワーカー。現場の信望を集めては、争議の先頭に立ち、カタイ論理
で経営者を攻めまくる、、のが多かった。 あれオカシイんだよ。組織風土
か、その人の生育歴か、教育か、、、何かが狂わせた、としか思えなかった。
* * * * *
コントロール抜きの、しかもマネジメントなんてさらに無い人が、形だけは
マネジメントしているつもり。 そんな人が上司だと、真正コントロール系
には最悪、とんだ災難です。 これは、技術系・営業系を問いません。
しかし繰り返しますが、彼に何かを植え付けることは誰にも出来ない。そう
悟りを開いて適応するか、せめて対症療法を試みるか、でしょうな。
それとも大胆に、別の世界へ向けて歩き出すか。 なら、丸腰じゃ危険です。
まず武器を調達しなくちゃ。真正コントロール系なら、マネジメント技法の
体得は可能、と申し上げました。 この私がコーチしますから、ね。
■竹島元一■
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